Christian Dior(クリスチャン・ディオール)の歴史と代表作

①ブランドの歴史

1946年のフランスでクリスチャン・ディオールによって創設されたブランドです。

さて、その創設者クリスチャン・ディオールについてですが、

1905年にフランスの実業家の両親の間に生まれ、恵まれた家庭環境で育ちました。

少年時代にはパリの建築に興味を持ち、特に装飾芸術に強い関心があったディオールは建築家になる事を志します。

しかし、両親は息子が外交官になる事を望んでいたため、パリ政治学院に進学する事になったと言われています。

そんな中でも進学後は、新進気鋭のアーティストである友人に囲まれながら、古美術商と提携し、

小さなギャラリーをオープンさせるなど、芸術界と密接に関わりながら過ごしていたと言われています。

彼の装飾芸術の知識を基にした感性やデッサン力は、当時の偉大なクチュリエ(裁断師)である、

ロベール・ピゲやリュシアン・ルロンに認められ、アシスタントとして働く事になりました。

著名なデザイナーであり、後にブランドを立ち上げたバルマンやジバンシィも上記のクチュリエから指導を受けており、

互いに刺激を受けながら、ディオール本人の才能も開花していったと言われています。

その後独立し、ブランド”クリスチャン・ディオール”を立ち上げる事になります。

独立後、1947年に彼が提案した、なで肩で細く締まったウエスト・フレア型のスカートを用いた女性らしい優美化を表現したスタイルは、

遠く離れたアメリカでも好評を博し、ニュールックという表現によって、クリスチャン・ディオールの世界観が広く認知されていきます。

ディオールは、少年時代に建築における装飾技術を学び、その知識と技術をベースにした新しい感性が礎となって、

ファッション界に大きな足跡を残しましたが、なんと彼はブランドを立ち上げた12年後にこの世を去ります。

②代表作(アイコンバッグ)

2-1.レディディオール

 “レディ ディオール” は、1995年にパリを訪問したダイアナ妃のために特別に作られたバッグです。

 元々は ”シュシュ” と名付けられていました。

 オリジナルのデザインはキルト加工されたブラックレザーの構造的なスタイルで、ブランドのロゴチャームが施されていました。

 ディオールは1996年に同バッグを正式にリリースする事を決定し、プリンセスに敬意を表して ”レディディオール” に名称を変更しました。

 ダイアナ妃は多くの人にとってのスタイルアイコンだったため、同バッグは非常に高い人気を集め、様々なカラーバリエーションで販売されました。

2-2.サドルバッグ

 “サドルバッグ” はディオールの歴史の中で永遠のアイコンとして愛されています。

 同スタイルは、イットバッグブームだった1999年にジョン・ガリアーノによって考案されました。

 馬術にインスパイアされたスタイルとモノグラムのデザインが特徴です。

 大ヒットTVドラマ「Sex and the City(セックス・アンド・ザ・シティ)」のCarrie Bradshaw(キャリー・ブラッドショー)や、

 Paris Hilton(パリス・ヒルトン)が身につけていた事で、90年代後半から00年代初頭にかけてはイットバッグとしての地位を獲得しました。

 その後はしばらく影を潜めていましたが、2018-19年秋冬シーズンで復活し、数え切れないほどのプリントやカラーバリエーションで展開されました。

2-3.ディオラマ

 2012年にディオールのアーティスティックディレクターに就任したRaf Simons(ラフ・シモンズ)は、

 メゾンの伝統を若い現代女性たちに届けるため、オートクチュールのコンテンポラリー化に勤しんだと言われています。

 シモンズ時代に生まれた”ディオラマ” は、歴史をダイナミックにリミックスした近未来的なデザインとなっており、

 クラシックなフラップとミニマルなデザイン、ダイヤモンドシェイプのシグネチャークラスプとチェーンストラップを備えた、

 フェミニンかつモダンな逸品です。

2-4.ディオリッシモ

 先ほど触れたラフ・シモンズが遺したもう一つのアイコンバッグ ”ディオリッシモ” は、

 ブランドの卓越したクラフツマンシップを象徴するトートバッグとなっています。

 ”レディ ディオール” をモダンにアップデートし、クラシックなトップハンドルとロゴの装飾はそのままに実用性を追求しており、

 3つのサイズ展開があります。

2-5.ディオールエヴァー

 ディオールが古いものと新しいものを融合する天才であるという事を示したようなお品です。

 ”ディオールエヴァー” はまさにその良い例で、シンプルなフォルムとハイテクなマグネット式フラップクロージャーを備え、

 力強いブラックからゴジピンク、ピーチ、レモンイエロー、ブルーなど印象的なカラーで展開されています。

 トレンドは移り変わっても、”ディオールエヴァー” は永遠であると感じさせられます。

 

本日はここまで、クリスチャン・ディオールについて触れてきました。

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