①創業者はどんな人?
現在のグッチの礎を築いたのは、創業者のグッチオ・グッチ(1881年生)です。
彼の家では馬具の製造を行っていましたが、諸事情から実家は馬具製造から撤退、
それをきっかけに彼は若くしてロンドンへと移り住みました。
シャーロック・ホームズにも登場するベーカー・ストリートで一躍有名になったロンドンは、
当時貴族が多く住む華やかな街でした。
グッチは、この芸術あふれる街のホテルに下宿し、イギリス貴族の洋装から、
デザイン、色使い、ディテール、素材など、様々なことを学びました。
この経験が、グッチの人生を大きく左右する事になります。
②1921年に鞄と馬具の製造会社を設立
ホテルでの下働きを終えたグッチは、1921年、故郷で鞄と馬具の製造を手掛ける会社を立ち上げました。
そうです、グッチの前身はエルメスと同じく馬具メーカーなのです。
今でもグッチは、乗馬よりインスパイアされたアイテムを展開しており、当時の名残を見る事ができます。
起業よりわずか数年、グッチの開いた会社は、瞬く間にフィレンツェはおろか、イタリア中へと名が知られていきました。
高品質で使い勝手に優れる、各種レザー製品で成功を収めたのです。
③第二次世界大戦で迎えた一つの危機
時代は第一次世界大戦終結後、未だ世界は混迷の中にあり、いつ戦いの火蓋が切られてもおかしくはない状況でした。
そして始まった、第二次世界大戦。
グッチもまた戦争の影響を受け、一時低迷を余儀なくされてしまいました。
イタリアでの戦時統制により、レザーが使えなくなってしまったのです。
革がなければ商品を製造できない、危機的状況に陥りましたが、グッチは発想を転換し、
キャンバス素材を使用したアイテムの販売を始めました(この切り替えがすごいですよね・・・)。
すると、これが意外な大ヒットを博し、当時はまだ珍しかったキャンバス素材とポップなカラーリングで、
戦時中にありながらも富裕層を中心に人気を集める事になりました。
④戦後、バンブーバッグが大ヒット!
そして、戦後間もない1940年代末、あの「バンブー」が誕生しました。
現在はグッチを代表する人気コレクションの一つとなっている「バンブー・コレクション」。
その第一号は、シンプルなハンドバッグで、持ち手は、今のバンブーハンドルに繋がる「竹」が使用されていました。
資源不足と言う側面もありましたが、これがヨーロッパを中心に爆発的にヒット、
グッチの名がイタリアから世界へと広がるきっかけとなりました。
その後もバンブーは改良を重ね、次々と新モデルを発表する人気商品へと変貌を遂げています。
⑤おわりに
馬具からバッグへと転身したグッチですが、創業者のグッチオ・グッチは、1953年にその生涯に幕を閉じました。
ですが、彼の死後も、ブランドのグッチは飛躍を続け、1964年に銀座へ日本一号店をオープン、
その後はデパートと路面店を中心として店舗を増やしていきました。
日本進出からすでに50年が経過しているのです。
グッチの歴史をコンパクトにまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
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